SESの案件ヒアリングは質問と確認状態を同じシートに残す

SESの案件ヒアリングは、役割と募集背景を聞き、必須・尚可条件と取引・稼働条件を分けて記録します。

SESの案件ヒアリングは、役割と募集背景を聞き、必須・尚可条件と取引・稼働条件を分けて記録します。回答がない欄には未確認と確認先を残し、提案前に条件を再確認します。

「Java経験者を急ぎで探しています」という依頼だけでは、工程、経験内容、開始日、商流、単価を比較できません。

質問を増やすより、提案可否を左右する未確認条件を明確にすることがヒアリングシートの役割です。

この記事は、案件票の書式ではなく、顧客に聞く順番と回答の残し方に絞ります。

条件が曖昧なままSES人材を探すと確認が往復する

募集条件が曖昧なまま候補者を探すと、見つけた後に提案できない条件が判明し、顧客とBPの双方へ確認が戻ります。

これは件数の多さだけの問題ではなく、質問の対象と回答の状態が記録されていない問題です。

技術名だけでは担当する仕事が見えない

「Java必須」と書かれていても、既存システムの保守、API設計、テストのどれを任せるかは分かりません。

技術名を聞いた後に担当工程と期待する成果物を聞くと、候補者の経歴と比べやすくなります。

希望条件を必須条件と読み違える

案件担当の「できればクラウド経験も」という発言を必須条件として共有すると、提案可能な候補者を先に外しかねません。

必須・尚可を営業担当の推測で確定することは避けてください。

未回答と調整可能を同じ空欄にする

単価欄の空白は、未回答、まだ設定されていない、相談可能のどれか分かりません。

回答を得ていない状態は未確認と記録し、調整可能という回答とは分けます。

SES案件ヒアリングは募集背景から質問を始める

最初に募集背景、役割、担当範囲を聞くと、スキル条件が何のために必要かを確認できます。

IPAのデジタルスキル標準は人材の役割と習得すべきスキルを整理していますが、SES案件票の規格ではありません。

案件ヒアリングでも、役割と経験を対応させて聞く考え方だけを参考にできます。

IPA「デジタルスキル標準」 — 人材の役割とスキルを整理する公式の枠組みです。

SES案件の募集背景を聞く

「増員ですか、交代ですか」「最初に解決してほしい業務は何ですか」と質問します。

交代なら引き継ぎ範囲、増員なら既存メンバーとの分担を続けて確認します。

答えが不明なら募集背景を断定せず、後日確認する相手を記録します。

SES人材に任せる工程を聞く

「設計、実装、テスト、運用のうち主担当はどこですか」「どの成果物を任せますか」と聞きます。

役割を具体化してから、必要な技術と経験内容を確認します。

SES案件の必須と尚可は選考判断で区別する

必須条件は欠けると提案が成立しない条件、尚可条件は欠けても検討余地がある条件として案件担当に確認します。

営業担当の分類だけでなく、誰がどの選考段階で判断するかも聞きます。

必須経験は何をしたかまで聞く

「Javaは開発経験が必要ですか」「設計だけの経験でも対象ですか」と工程を付けて質問します。

年数だけの回答なら、その期間に担当した役割も聞いてください。

技術名・工程・経験内容を一組で記録すると、候補者のスキルシートを比較しやすくなります。

尚可条件には代替できる経験を聞く

「クラウド経験がなくても、オンプレミスで同じ設計経験があれば検討できますか」と聞きます。

代替可能と回答された場合だけ、何が代替になるかを記録します。

回答がないなら「応相談」に言い換えず未確認とします。

商流と単価と稼働条件を別々に確認する

商流、単価、稼働開始、勤務地は候補者の提案可否に直結するため、技術条件の後でそれぞれ確認します。

一つの自由文へまとめず、条件ごとに回答者と確認日を残してください。

商流と契約条件を混ぜない

「所属会社の制限はありますか」「取引可能な商流はどこまでですか」と聞きます。

契約形態や指揮命令に関する判断は、営業担当の推測だけで確定せず、契約担当にも確認します。

商流に使う用語の整理は別の記事で説明しています。

エンド・元請け・一次請けとは|SES商流の用語を図解

単価と精算条件は別の欄にする

「提示単価は税別・税込のどちらですか」「精算幅と超過・控除の扱いは決まっていますか」と聞きます。

金額の幅がある場合は、上限が動く条件と回答者を記録します。

精算幅の計算自体は別の記事に譲ります。

SESの精算幅とは|140〜180時間の計算方法と注意点

開始日と勤務地には調整可否を添える

「開始日は確定ですか」「出社頻度や勤務地は調整できますか」と確認します。

調整可能と回答された場合は、許容範囲と再確認先を残します。

開始日やリモート条件を古い案件メールから流用する前に最新状態を確認してください。

コピペ用SES案件ヒアリングシートを使う

シートは質問、回答、状態、確認先を一行にまとめると、聞き漏らしと推測を区別できます。

以下は営業担当の方が面談メモや社内台帳へコピーできる質問票です。

順番 顧客への質問 回答欄 状態・確認先
1 募集の背景と最初に任せる仕事は何ですか 確認済み/未確認・担当者
2 主担当の工程と成果物は何ですか 確認済み/未確認・担当者
3 欠けると選考対象外になる経験は何ですか 必須の確認済み/未確認
4 満たさなくても検討できる経験は何ですか 尚可の確認済み/未確認
5 商流や所属会社の制限はありますか 確認済み/未確認・取引担当
6 単価と精算条件は何ですか 確認済み/未確認・取引担当
7 稼働開始日と勤務地に調整余地はありますか 確認済み/未確認・担当者
8 面談の流れと募集人数は決まっていますか 確認済み/未確認・担当者
9 提案期限と募集状態の更新先はどこですか 確認済み/未確認・担当者

シート上部には案件ID、ヒアリング日、回答者、次回確認日を追加します。

回答欄が埋まらなかった項目は、確認先と次回確認日があって初めて追跡できます。

SES案件の未回答を確認メールにまとめる

面談後は未回答の項目だけを短いメールにまとめ、相手の回答負担を減らします。

件名:案件条件の確認|[案件ID・役割]

本日は案件内容をご共有いただき、ありがとうございました。

候補者の提案可否を判断するため、[必須経験の工程]と[商流の制限]について、現在の条件をご確認いただけますでしょうか。

確認済みの内容は[担当工程]と[開始時期]として記録しています。

条件が変わる場合は、変更箇所と適用日もお知らせください。

相手の回答が届くまで、未確認条件を確定した案件として広く案内しないでください。

ヒアリング結果を案件票と提案判断につなぐ

聞き取った内容は案件票へ移し、提案前に確定条件、相談可能な条件、未回答を分けて確認します。

案件票を作成するときは、回答があった項目にも更新日と募集状態を残します。

SESの案件票テンプレート|記載項目と作成例

既存メールの構造化や条件照合は営業担当の確認を助けますが、Dot Linkが顧客へヒアリングを代行したり未回答を確定したりするものではありません。

確認済みの条件だけで候補者を比較し、未確認は次の質問に戻す運用が必要です。

ヒアリング後の提案判断を整理する考え方は次の記事で説明しています。

SES営業のヒアリング・提案力を高める方法|情報が揃った状態から始める

SES案件ヒアリングは質問より回答の状態を残す

案件ヒアリングシートは、質問の数を競うためではなく、提案判断に必要な条件を確かめるために使います。

必須・尚可の境界と商流・単価・稼働条件に確認先を付けると、未回答を営業担当の推測で埋めずに済みます。

まず一案件で質問票を使い、未確認項目を確認メールへ移すところから始めてください。

よくある質問

SES案件ヒアリングで全項目を一度に聞くべきですか?

一度に全項目を聞く必要はありません。

募集背景と役割を先に聞き、技術条件、商流・単価・稼働条件の順で提案可否に関わる項目を確認します。

回答者が違う取引条件は、同じ場で無理に確定せず、確認先と回答予定をシートへ残します。

最終的に顧客へ返す質問は、書面にない項目と矛盾する項目に絞ると答えてもらいやすくなります。

SES案件で必須条件を顧客が決めていない場合はどうしますか?

営業担当が必須を代わりに決めず、候補者選考で欠かせない経験を案件担当へ確認してください。

検討可能な代替経験も併せて聞くと、条件を厳しく読みすぎずに済みます。

回答待ちの欄は「未確認」とし、相手から確認が取れた項目だけを確定条件として案件票へ移します。

確認が取れないまま候補者を除外する判断や、BPへ必須条件として送る案内は保留します。

SES案件ヒアリングシートは案件票と別に残しますか?

別に残すと、誰がいつ何と回答したかを後から追えます。

案件票は外部共有や候補者照合のために現在の条件を整理する文書で、ヒアリングシートは確認経緯と未回答を追跡する記録です。

共有する際は、個人情報や顧客固有の非公開情報を外部へ広げず、共有可能な条件だけを案件票へ移してください。

条件変更があれば、ヒアリング記録と案件票の両方へ更新日を付け、古い回答を最新条件と混同しないようにします。