SES案件動向は総数だけで判断しない

SES営業が2026年の案件動向を営業計画へ使うときは、市場全体の増減だけで判断せず、職種・工程・技術領域・勤務形態ごとに分けて、自社の案件受信記録と照合します。

SES Laboが営業担当者112名を対象に行ったインターネット調査では、81.3%が市場全体の案件総数の減少を実感したと報告されています。ただし、これは調査回答者の認識であり、国内市場全体の案件数を測定した統計ではありません。

市場の印象だけで営業先や人材要件を変えると、自社の顧客構成とは合わない判断になる可能性があります。

外部調査は見るべき軸を探すために使い、自社の実績で確かめることが基本です。

外部調査の数字を読むときは母集団を確認する

外部調査を営業判断へ使う前に、誰が、いつ、どの方法で回答した調査かを確認します。

SES Laboの調査は2026年5月20日から6月1日に実施され、SES企業の営業担当者112名が回答したインターネット調査です。

81.3%は調査回答者が感じた変化

調査記事は、市場全体の案件総数について、81.3%の回答者が減少を実感したと報告しています。

これは回答者の認識を集計した値であり、全社の取引案件数を合算した値や、全SES企業に同じ変化が起きたことを証明する数字ではありません。

調査値を自社の事実として引用せず、市場シグナルとして自社内で確かめる問いに変換します。

項目ごとの回答数と条件を混同しない

調査記事には工程や勤務形態ごとの増減傾向も掲載されていますが、項目ごとの回答数が明示されていない数値は、市場全体へそのまま当てはめられません。

調査の回答数112名を、すべての内訳にも当てはまる母数として扱わないで、各設問の集計条件が分かる範囲だけを引用します。

SES案件市場は領域別に確認する

案件の増減を自社で確かめるには、募集が届いた数だけでなく、どの技術領域・担当工程・勤務形態・経験層の案件かを記録します。

調査記事は、案件総数の回答に加えて、上流工程、AI・データ・DX、クラウド、セキュリティ、勤務形態などの切り口を掲載しています。

職種と担当工程を分ける

PM、コンサル、要件定義、設計、開発、運用保守などを、社内で使う分類に合わせて記録します。

複数工程を含む案件は代表工程だけに押し込まず、募集で必須の工程と付随する工程を分けておくと、変化を後で検証しやすくなります。

技術領域と勤務形態を記録する

AI・データ・DX、クラウド、セキュリティなどの技術領域と、常駐、部分リモート、フルリモートなどの勤務条件を別々の項目で持ちます。

勤務地だけを保存して勤務形態を省くと、同じ地域の案件でも提案可否を分ける条件が見えなくなります。

個別案件の出社頻度や勤務条件を聞き取る確認項目は、次の記事で扱っています。

SES営業のリモート条件チェックリスト|出社頻度と提案前確認

自社の案件記録で市場の変化を確かめる

外部調査の傾向が自社にも当てはまるかは、一定期間の案件記録を同じ分類と集計ルールで比較して確かめます。

受信案件と有効案件を分ける

受信件数には、同じ案件の再送、条件更新、募集終了後の再開などが含まれることがあります。

受信メールの数だけを市場機会と数えず、重複をまとめた案件数、現在募集中の案件数、提案可能性を確認中の案件数を分けます。

社内で共有する指標は集計期間と案件の定義をそろえ、前月や前年と比較できる状態にします。

案件の状態と条件変更を残す

募集中、募集終了、条件変更、募集再開、提案可否確認中など、次の営業行動につながる状態を記録します。

受信時にリモートだった案件が常駐へ変わった場合など、条件の変更履歴と確認日を残すと、単なる件数変化と実際の提案可能性を分けられます。

案件メールの条件変更を取引先へ正確に伝える方法は、次の記事で紹介しています。

SES営業の案件条件変更メール例文|単価・勤務地・開始時期を正確に伝える書き方

案件と人材を同じ分類で照合する

案件側の需要と、人材側の稼働状況や希望条件を同じ分類へ整理すると、案件数が増えたのに提案が増えない理由を切り分けやすくなります。

案件の必須条件と人材情報を比較する

スキル、担当工程、稼働開始時期、勤務地・勤務形態、商流、単価など、提案可否を分ける条件をそろえます。

記載がない条件は推定せず「未確認」とし、提案前に誰が確認するかを決めてください。

条件が合う案件と人材の組み合わせを見る

案件総数だけでなく、提案可能な組み合わせがどれだけあるかを確認します。

案件数の変化と提案機会の変化は同じとは限らないため、条件を照合してから営業先や人材の更新方針を決めます。

マッチングツール導入前に必要な情報整理は、こちらで説明しています。

SESマッチングツール導入前のデータ準備|案件・人材情報の整え方

営業計画へ反映するときは仮説と事実を分ける

営業計画へ外部調査を反映するときは、調査で確認された事実、自社記録で確認した事実、これから試す仮説を分けます。

変化が見えた領域の確認先を決める

自社で特定領域の案件が増えている場合は、既存顧客への聞き取り、新規取引先の開拓、技術者情報の更新など、次の確認行動を決めます。

外部調査だけを理由に、取扱領域を急に変えたり、特定の人材へ需要があると約束したりしないでください。

小さな期間で仮説を検証する

確認対象の顧客や案件分類を絞り、受信案件数、重複を除いた案件数、提案対象数、提案件数などを同じ定義で記録します。

指標の分母や期間が変わると比較できないため、集計を始める前に定義と担当者を決めます。

営業工程ごとのKPIと計算方法は、次の記事で整理しています。

SES営業のKPI一覧|案件数・提案数・面談率の管理方法

SES案件の市場調査は自社データと組み合わせる

2026年の外部調査は、案件総数の減少を感じる営業担当者が多かったという市場シグナルを示しています。

その結果を自社の確定予測として使わず、技術領域・工程・勤務形態ごとの案件と人材情報を同じ定義で集計し、自社の顧客構成に合う営業判断へつなげてください。

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よくある質問

2026年はSES案件が減っていますか?

SES Laboが営業担当者112名へ行ったインターネット調査では、81.3%が市場全体の案件総数の減少を実感したと報告されています。

回答者の認識をまとめた結果であり、国内すべての案件数を網羅した公式統計ではありません。

自社の案件数、募集状態、技術領域、勤務形態を、一定期間の同じ定義で確認してください。

SES案件動向の調査結果を営業計画へそのまま使えますか?

調査結果は営業計画の確認項目を決める参考情報として使います。

自社と回答企業の顧客層、商流、技術領域、集計方法が同じとは限らないため、調査値を自社の売上予測や採用判断へそのまま転用しないでください。

SES案件数を数えるときは再送メールも含めますか?

メール受信件数と、重複を除いた案件数を分けて管理します。

同じ案件の再送や条件変更を新規案件として数えず、募集状態、変更内容、確認日を記録してください。

参照リンク