SES営業の案件提案は提案不能条件から順に確認する

SES案件の提案優先順位は、提案不能条件、稼働時期・勤務地、単価、スキル、確認コストの順に確認し、今動く案件と保留案件を分けて決めます。

SES案件は、まず明らかな提案不能条件を確認し、次に稼働時期・勤務地、単価、スキル、確認コストを見ます。商流や単価の情報が足りない案件は即座に捨てず、理由・確認先・再確認日を残して保留します。

確認順を固定すると、届いた順や担当者の勘だけで案件を選ぶ状態を避けられます。

この記事ではAIが候補を生成する仕組みではなく、営業担当の方が日々の案件をどの順番で確認し、提案・確認待ち・見送りへ分けるかを扱います。

受信順だけでは案件の提案優先度が決まらない

受信順はメールを読む順番には使えますが、案件を提案する順番にはそのまま使えません。

新着でも自社から提案できない案件があり、少し前に届いた案件でも回答期限や稼働開始が迫っている場合があるためです。

新着案件が最優先とは限らない

新しく届いた案件から機械的に対応すると、商流や募集状態を確認する前に人材を探し始めることがあります。

一方で、提案可能な人材がすでに見えている案件は、受信時刻が少し前でも先に確認する価値があります。

新着順と提案順を同じにすると、動ける案件が後ろへ回る可能性があります。

すぐ決められない案件が一覧を占める

商流、単価、稼働時期のどれかが不明な案件は、確認しないまま一覧へ残り続けがちです。

保留理由が記録されていないと、別の担当者も同じメールを読み直し、同じ不明点で止まります。

優先順位を決める作業は、上位案件を選ぶだけでなく、今は動かない理由を残す作業でもあります。

提案不能条件を最初に切り分ける

最初に確認するのは、自社から提案できないことが明確な条件です。

ここでの目的は優良案件を選ぶことではなく、現時点で動けない案件に確認時間を使い続けないことです。

募集終了と提案期限を確認する

募集終了が明記されている案件や、提案期限を過ぎて受け付けないことが確認できた案件は、現在の提案対象から外します。

終了を削除で処理すると再募集時や履歴確認で迷うため、見送り理由と確認日を残します。

商流の明確な不一致を確認する

案件側が受け入れる所属範囲と人材側の所属がどちらも確認でき、社内ルール上で成立しない場合は、早い段階で見送れます。

ただし、商流が未記載または解釈できない案件を「不一致」と同じ扱いにはしません。

不明と不適合を混同しないことが、確認できれば提案できた案件を失わないための基本です。

メールから商流と単価をどのように整理し、不明な値をどう扱うかは次の記事で解説しています。

商流・単価をメールから自動判定する方法|見落としを防ぐには

稼働時期と勤務地を次に確認する

提案不能条件を通過した案件は、稼働時期と勤務地・リモート条件を確認します。

スキルが合っていても参画時期や働き方が合わなければ、確認の往復が増えるためです。

稼働開始の幅と確度を分ける

開始時期は日付だけでなく、「即日」「応相談」「翌月以降」のような幅と確度を分けて読みます。

年や対象者が曖昧な表記は推測で確定せず、誰に何を確認するかを記録します。

稼働時期の表記をそろえてから比較する考え方は次の記事で詳しく扱っています。

稼働開始時期のミスマッチを防ぐには

出社条件を移動可能範囲と照合する

勤務地は地名だけで判断せず、出社頻度、常駐の有無、リモートへ切り替わる条件まで確認します。

「リモート可」と「原則出社で一部リモート可」は人材側の負担が異なります。

時期と働き方を先に合わせると、スキル確認後の大きな後戻りを減らせます。

単価は重要な判断材料として確認する

単価は優先順位へ強く影響しますが、単価だけを絶対的な除外条件にはしません。

金額の幅、精算条件、確認状況を分けて読み、比較できる案件と確認が必要な案件を区別します。

金額レンジが重なるかを確認する

案件の提示範囲と人材側の希望範囲が確認できる場合は、重なりの有無を見ます。

ずれが小さく調整余地があるか、前提条件が違うため比較できないかは、社内や取引先の判断基準に沿って扱います。

単価のずれは懸念点として記録し、提案可能性と交渉の必要性を同時に見られるようにします。

単価欠損を即時除外にしない

単価が書かれていない、応相談とだけ書かれている、単位が分からないといった案件は、その時点では比較不能です。

比較不能は提案不能と同じではないため、案件の鮮度やスキル適合を見ながら確認対象へ回します。

単価が不明なら確認へ回すという扱いなら、未確定値を無理に埋めずに優先順位を付けられます。

スキルは必須条件から順に確認する

稼働条件と単価を確認した後は、案件の必須スキルと人材の経験内容を照合します。

技術名の数ではなく、役割、工程、対象業務まで含めて提案理由を説明できるかが判断基準です。

必須スキルと尚可スキルを分ける

必須スキルは満たさないと提案が難しい条件で、尚可スキルは候補を並べるときの加点材料です。

両者を同じ重みで扱うと、尚可条件が足りないだけで候補を外したり、必須条件の不足を見落としたりします。

経験内容を提案文へ変換できるかを見る

案件の要求と人材の経歴に共通する技術名があっても、担当工程が異なれば提案理由は弱くなります。

「どの経験がどの必須条件へ対応するか」を短く説明できる案件を先にすると、提案準備へ進みやすくなります。

提案理由を作れない案件は、追加確認が必要な状態として保留します。

確認コストと案件の鮮度で最終順位を決める

条件が近い案件同士は、確認に必要な往復と情報の新しさで最終順位を決めます。

確認項目が少なく、確認先と回答期限が明確で、現在も募集中と分かる案件ほど先に動きやすくなります。

確認項目の数より確認先の明確さを見る

不明項目が一つでも確認先が分からなければ、案件は長く止まります。

不明項目が複数あっても、担当窓口へまとめて確認できるなら短時間で解消できる可能性があります。

確認先が決まっている案件を先にすると、営業担当の方が自分で完結できる仕事を増やせます。

最終確認日が古い案件は再確認する

受信日が新しくても、そのメールが古い条件の再送である場合があります。

募集状態、単価、開始時期、人材の稼働可否について、最後に確認した日を見て判断します。

案件の鮮度を確認せず提案すると、すでに変わった条件を相手へ伝えるおそれがあります。

提案優先順位の記録テンプレートを作る

優先順位は頭の中だけで決めず、判断理由、確認先、再確認日を案件ごとに残します。

同じ案件を別の担当者が見ても、次の行動を再現できる形が理想です。

記録項目 記載内容
案件ID 同一案件を追跡できる識別子
現在の状態 提案準備・確認待ち・見送り
優先理由 稼働時期・単価・スキルなど先に動く理由
保留または見送り理由 不明項目・不適合条件・募集終了など
確認先 条件を確認する担当窓口
確認内容 質問する項目と判断に必要な回答
最終確認日 条件を最後に確認した日
再確認日 確認待ち案件を次に見直す日
次の行動 提案文作成・問い合わせ・終了処理など

理由・確認先・再確認日を残すと、保留案件が一覧に埋もれにくくなります。

確認順を新人営業へ共有する際の考え方は次の記事で整理しています。

新人営業が商流・単価をすぐ覚えられない問題への対処法

人の判断順とマッチング処理を分けて考える

営業担当の確認順と、システムが候補を生成する処理順は同じものではありません。

人のトリアージでは、提案不能条件を切り分けた後に時期、勤務地、単価、スキル、確認コストを見て、今日動く順番を決めます。

一方でDot Linkは、自由文メールをそのまま比較せず、抽出・正規化した案件と人材の情報を使って候補を生成する方針です。

現行方針では、商流は強い除外条件の一つですが、どちらかが不明なら無理に落とさず、単価の欠損やレンジ不一致も単独で候補除外にしません。

AIマッチングの候補生成ロジックは次の記事で解説しています。

AIマッチングはどう案件と人材を結びつけるのか|2段階フィルタの仕組み

候補生成は確認対象を絞る支援であり、どの案件から提案するかの最終判断は、現在の条件と社内方針を知る営業担当の方が行います。

提案優先順位は保留案件の扱いまで決める

SES案件の提案優先順位は、良さそうな案件を並べるだけでは完成しません。

提案不能条件、稼働時期・勤務地、単価、スキル、確認コストの順で確認し、提案準備へ進む案件と保留案件を分けます。

会社ごとの受け入れ条件や重点領域は異なるため、共通の順番を自社ルールへ調整し、例外時の確認先も決めてください。

保留理由と再確認日まで記録できれば、今動かない案件も次の判断につなげられます。

よくある質問

商流が不明なSES案件はすぐ見送るべきですか?

すぐに見送る必要はありません。

商流が書かれていない状態は、受け入れ条件に合わないと確認できた状態とは異なります。

案件の提案期限、稼働時期、人材候補の有無を見て、確認する価値がある場合は「商流確認待ち」として保留し、確認先と再確認日を記録してください。

送信元へ質問できない、回答期限までに確認できない、社内規定上で未確認のまま進められない場合は、その理由を残して今回は見送ります。

この区別があれば、情報不足だけで提案機会を失うことと、根拠のない推測で提案することの両方を避けられます。

単価とスキルのどちらを先に確認すべきですか?

原則は単価を先に確認し、その後で必須スキルと経験内容を見ます。

単価が比較できれば、希望範囲と案件条件が大きく離れている候補に詳細なスキル確認を続けるかを早めに判断できます。

ただし、単価が未記載または応相談でも、それだけで案件を外す必要はありません。

希少なスキルが明確に合う場合や、重点取引先の案件では、単価確認とスキル確認を並行して進める選択もあります。

自社の例外条件と承認者を決め、担当者ごとに順番が揺れないようにしてください。

保留中のSES案件はいつ再確認すべきですか?

案件ごとに再確認日を決め、回答期限や稼働開始から逆算して見直します。

「後で確認する」だけでは日々の新着に埋もれるため、確認先へ質問した日、回答予定、次に見る日を記録してください。

条件変更の連絡が届いた場合は再確認日を待たずに更新し、募集終了が確認できた場合は保留から見送りへ変えます。

回答がないまま期限を迎えた案件も削除せず、今回は進めなかった理由を残すと、同じ取引先から似た案件が届いたときの確認順を改善できます。