SES営業の悩みは見落とし・属人化・手作業に集約される

SES営業担当の方が日々感じている悩みは、細かく挙げていくときりがありませんが、突き詰めると見落とし・属人化・手作業の3つに集約されます。

この3つは別々の問題に見えて、情報が自由文のメールのまま流れていって残らないという同じ原因から生まれています。だからこそ、悩みごとに対策を積み増すより、情報の残り方を一度変える方が効きます。

この記事では、まず「あるある」として実際の場面を並べ、そのうえで3つの悩みがどこでつながっているのかを整理します。

それぞれの悩みを詳しく扱った記事もあるので、気になったところから読み進めてください。

埋もれるメールと逃げる人材|見落としのあるある

見落としは、メールの量そのものが人の確認能力を超えていることから起きます。

注意力の問題として語られがちですが、1日に届く案件・人材メールを1通ずつ読み切る前提の運用に、そもそも無理があります。

大量のメールに重要な案件が埋もれる

朝のうちに受信箱を開くと、案件情報と人材情報が入り混じったメールが並んでいます。

急ぎで対応すべき1通を探しているうちに新しいメールが届き、下にスクロールした分だけ古いメールが視界から消えていきます。

数日後に「そういえばあの案件どうなりましたか」と聞かれて、はじめて受信箱の下の方に埋もれていたことに気づく、という経験をお持ちの方は少なくないはずです。

埋もれた案件は、埋もれたこと自体が記録に残りません

良い人材は見つけた時点で他社が動いている

条件の良い人材情報を見つけて、すぐ提案しようと連絡したら、すでに他社で話が進んでいたという場面もよくあります。

SESの人材情報は同じ内容が複数社へ同時に配信されているため、確認が半日遅れるだけで状況が変わります。

情報を受け取れていたかどうかではなく、受け取ってから気づくまでの時間で差がついているということです。

1通に複数案件が混在して後半を読み飛ばす

1通のメールに案件が1件とは限らないのが、SES業界のメールの厄介なところです。

件名が「案件のご案内」でも、本文をスクロールしていくと2件目、3件目と続いていることがあります。

上から流し読みをして冒頭の1件を確認した時点で「このメールは読んだ」と判断してしまうと、後半の案件はそのまま存在しなかったことになります。

1通に複数案件が混在する構造と、その防ぎ方はこちらで詳しく扱っています。

BPメールが埋もれて案件を見逃す原因と防ぎ方

先輩の背中を見て覚える|属人化のあるある

属人化は、判断の根拠が記録に残らず、経験のある方の頭の中にだけ蓄積されることで進みます。

引き継ぎ資料が無いことが問題なのではなく、日々の判断が最初から記録される形になっていないことが問題です。

商流と単価の読み方が先輩の経験の中にしかない

商流が何次まで許容されるか、この単価表記が実際にはどのレンジを指すのかといった判断は、マニュアルにまとまっていないことがほとんどです。

新人の方は先輩のやり方を横で見て、返信内容を真似しながら少しずつ覚えていきます。

判断の基準が言葉になっていないため、教える側も「なんとなくこう読む」としか説明できないという状況が生まれます。

ベテランが休むと案件と人材の状況が分からなくなる

担当者が長期で休んだり退職したりすると、その人が抱えていた案件・人材のやり取りが一気に見えなくなります。

メールの履歴は残っていても、どこまで話が進んでいて、なぜその相手を優先していたのかは本人にしか分かりません。

情報はあるのに状況が分からないという状態が、引き継ぎをもっとも難しくします。

新人が独り立ちするまで先輩が二人分を抱える

新人の方が配属されても、商流と単価の判断ができるようになるまでには時間がかかります。

その間、先輩は自分の案件を回しながら新人の確認にも答えることになり、感覚としては二人分の仕事を抱えている状態が続きます。

教育に時間を割けないほど忙しいから独り立ちが遅れ、独り立ちが遅れるから忙しさが続く、という循環に入りがちです。

新人の方が商流・単価の判断を早く身につけるための考え方は、こちらで整理しています。

新人営業が商流・単価をすぐ覚えられない問題への対処法|SES営業の属人化

転記と入力が積み上がる|手作業のあるある

手作業の負担は、1回あたりが数分で済むために軽く見られがちですが、件数を掛け算すると1日の相当な時間を占めています。

しかも、その作業は情報を生み出しているのではなく、すでにある情報を別の場所へ写しているだけです。

案件と人材の情報を管理シートへ毎回手入力する

届いたメールを開き、案件名・単価・スキル・稼働時期を読み取って、案件管理シートの列へ順に入力していきます。

送信元ごとに書き方が違うため、どこに何が書いてあるかを毎回探すところから始まります。

メールを送る側にとっては1通でも、受け取る側では1件ごとに読解と入力が発生しているということです。

同じ情報を複数のツールへ重複して転記する

管理シートに入力した内容を、チャットの共有用にもう一度書き、社内の日報にも要約して貼る、という重複が起きます。

保管先が増えるほど、後から見たときにどれが最新なのか分からなくなります。

同じ情報の写し間違いは、写した本人には気づけません

忙しい時期ほど確認と転記が雑になる

期末や大型案件の動く時期など、忙しいときほど入力は後回しになります。

後でまとめて入力しようとすると記憶が曖昧になり、項目が空欄のまま残ったり、単価のレンジを取り違えたりします。

もっとも情報が必要な時期に、もっともデータが荒れるというのが手作業運用の弱点です。

手入力そのものを無くす実務フローは、こちらで詳しく扱っています。

SES営業のメール処理を自動化する方法|手入力ゼロの仕組み

3つの悩みは同じ原因から生まれている

ここまで並べた悩みは、担当者の注意力・経験・勤勉さといった個人の資質の問題ではなく、案件・人材の情報が自由文のメールのまま流れていくことから生まれています。

メールは相手に伝えるための形式であって、後から探したり比較したり引き継いだりするための形式ではありません。

その形式のまま業務の中心に置いているので、探せない・引き継げない・写すしかない、という3つの症状が同時に出ます。

見落としは情報が一覧になっていないから起きる

見落としの正体は、確認漏れではなく「何件あるかを誰も数えていない」ことです。

受信箱は届いた順に並ぶだけで、案件が何件含まれているか、どれが未確認かを示してくれません。

一覧として並んでいれば見落としようがない情報が、時系列のメールとして流れていくために埋もれます。

属人化は判断の根拠が記録に残らないから起きる

属人化の正体は、引き継ぎ資料の不足ではなく、判断の材料が最初から記録されていないことです。

商流が何次で、単価がどのレンジで、どのスキルが要件の中心だったのかが項目として残っていれば、その案件を別の担当者が見ても状況を追えます。

判断は人に残り、材料は記録に残るという状態を作れれば、属人化する範囲はぐっと狭まります。

手作業は同じ情報を人が何度も写しているから起きる

手作業の正体は、作業量の多さではなく、機械が読める形になっていない情報を人が読み取って写していることです。

メール本文が最初から項目に分かれていれば、そもそも管理シートへ入力する工程が必要ありません。

つまり手入力は業務ではなく、情報が構造化されていないことの穴埋めだということです。

メール転送だけで3つの悩みに同時に効かせる

原因が1つなら、対策も1つで足ります。

Dot Linkは、案件・人材メールをses@dot-link.jpへ転送するだけで、本文を商流・単価・スキル・稼働時期といった項目へ自動で構造化します。

営業担当の方がやることは転送の一手だけで、新しい入力作業も、覚え直す操作もありません。

送ったメールが項目ごとのデータとして残る

転送されたメールは、送信元の特定・案件と人材の分類・本文の分解を経て、項目ごとのデータとして保存されます。

1通に複数案件が混在していても1件ずつに分けて扱うため、後半に埋もれた案件も他と同じ土俵に並びます。

書かれていなかった項目は推測せず「不明」として残るので、確認が必要な対象がそのまま見える形になります。

3つの悩みが1つの仕組みでまとめて和らぐ

情報が項目ごとに残ると、3つの悩みへの効き方が同時に変わります。

案件が一覧の中の1件として並ぶので埋もれなくなり、判断の材料が記録に残るので引き継げるようになり、読み取りと入力が自動で済むので転記そのものが減ります。

悩みごとにツールを増やすのではなく、情報の残り方を一度変えるだけで済むということです。

導入時に実際に何が発生して何が発生しないのかは、こちらで整理しています。

「メールを送るだけ」で使えるSES営業ツールの仕組みと導入負担

悩みを個人の頑張りに戻さないという考え方

SES営業の悩みは、担当者一人ひとりの注意力や経験値の問題として語られやすい領域です。

しかし、1通に複数案件が混ざったメールを毎日何十通も処理し、判断の根拠が記録に残らないまま次の案件へ進む運用を続けている限り、見落としも属人化も手作業も、誰が担当しても同じように起き続けます。

個人の努力ではなく情報の残り方を変えるという順序で考えると、対策は3つではなく1つになります。

まずは手元にある案件・人材メールを1通転送して、自分の悩みがどこまで構造化で解けるのかを確かめてみてください。

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よくある質問

メールの量が少ない会社でも見落としは起きますか

起きます。

見落としの原因は総量の多さだけでなく、1通のメールに複数の案件・人材情報が混在していて、何件含まれているかが分からないまま読み進める点にもあるためです。

1日10通しか届かない環境でも、そのうちの1通に案件が20件並んでいれば、後半を読み飛ばす可能性は変わりません。

量が少ない環境では見落としが「たまたま起きた例外」として扱われやすく、対策が後回しになりがちという別の難しさもあります。

属人化を防ぐには何から手をつければよいですか

商流と単価の判断材料を、案件ごとに項目として残すところから始めるのが現実的です。

マニュアルを作る取り組みは有効ですが、書き終える前に案件の状況が変わっていくため、日々の運用に組み込みにくい面があります。

それよりも、届いた案件・人材の情報が自動的に商流・単価・スキル・稼働時期の項目に分かれて残る状態を作る方が、続けやすく効果も安定します。

判断そのものは人に残っても、材料が共有されていれば、担当者が変わったときに追いかけられる範囲が大きく広がります。

案件管理シートは使い続けても大丈夫ですか

そのまま使い続けて問題ありません。

既存の案件管理シートやツールを置き換えたり、そこに蓄積されたデータを移行したりする必要はなく、いつもの営業メールの宛先を1つ増やすだけで並行して使い始められます。

まずは転記の手前の工程、つまりメールを読み取って項目に分ける作業だけを自動化し、シートの運用は変えないという進め方でも効果は出ます。

属人化と並んで相談の多い商流トラブルについては、別の記事で扱っています。

商流トラブル(飛ばし・中抜き)を防ぐには|SES営業の対策

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