SESのBP開拓を進める基本手順
SESのBP開拓は、候補探索、相性確認、初回連絡、情報交換、継続管理の順で進めます。
BP開拓の目的は名刺や配信先を集めることではなく、自社だけでは応えにくい案件や人材の条件を補い合える補完関係を増やすことです。
候補を見つけたらすぐに一斉送信するのではなく、公開情報と自社の基準で相性を確認し、相手ごとに連絡理由を作ります。
相手を増やすことと、協業できる相手を見つけることは分けて考えてください。
BP開拓が名刺集めで止まる理由
BP開拓が成果につながらない主な理由は、候補件数や送信件数が目的になり、自社との補完性を確認しないまま連絡することです。
相手を選んだ理由がないメールは、受信側から見ると一斉送信の対象にされたように見えます。
候補企業を集めることが目的になる
企業名とメールアドレスだけの一覧を増やしても、どの案件や人材で協業できるかは分かりません。
名刺数を活動量の代わりにすると、情報交換後に次の行動が決まらない相手が増えます。
候補を追加するときは、自社と補完し合う可能性を一行で説明できる状態にします。
自社紹介が長く相手を選んだ理由がない
沿革や事業内容を長く書いても、相手が「なぜ自社へ連絡が来たのか」を理解できなければ返信内容を決められません。
初回連絡で必要なのは会社案内の要約ではなく、確認した相手の特徴と、自社が情報交換を希望する理由です。
相手への言及がどの企業にも当てはまる表現なら、候補選定へ戻る必要があります。
定期配信そのものが活動になる
連絡先を集めた後に、同じ案内を定期的に送り続けることを開拓活動の中心にしないでください。
新しい案件、人材、条件変更など連絡する理由がないまま送れば、相手にとって必要な情報か判断できません。
関係を続ける基準は送信頻度ではなく、互いに扱いたい情報と連絡方法が合っているかです。
BP開拓前に自社の条件を棚卸しする
候補を探す前に、自社の得意領域、地域、契約可能な商流、案件と人材の強み、連絡対応を整理します。
自社の条件が分かると、相手に求める条件を具体化できます。
得意領域と地域を言葉にする
得意領域は技術名だけでなく、扱う業種、工程、役割、勤務形態など、相手が案件や人材を想像できる単位で整理します。
地域は所在地だけでなく、出社可能な範囲とリモート条件を分けます。
全国対応など広い表現を使う場合も、実際に対応可能な条件を社内で確かめます。
商流と案件人材の強みを分ける
自社が契約可能な商流と、案件側または人材側のどちらに強みがあるかを分けて書きます。
案件と人材の両方を扱っていても、得意領域や情報量が同じとは限りません。
商流の許容範囲が曖昧な場合は、候補企業へ連絡する前に社内で確認します。
対応方法を決める
返信可能な時間帯、急ぎの連絡先、担当不在時の引き継ぎ方法を整理します。
「対応が早い」と書く代わりに、どの連絡手段を確認し、誰が返答するかを決めます。
初回連絡で約束できる対応だけを自社紹介へ含めてください。
| 棚卸し項目 | 整理する内容 | BP候補を見る基準 |
|---|---|---|
| 得意領域 | 業種、技術、工程、役割 | 相手の得意領域と補完できるか |
| 地域と勤務条件 | 出社範囲、リモート条件 | 同じ案件条件を扱えるか |
| 商流 | 契約可能な範囲 | 提案可能な関係を作れるか |
| 案件と人材 | どちらの情報に強みがあるか | 相手の強みと組み合わせられるか |
| 連絡対応 | 窓口、連絡手段、引き継ぎ | 相手の受け取り方と合うか |
新しいBP候補を探す方法
BP候補は一つの名簿だけに頼らず、紹介、業界団体、イベント、企業サイト、ビジネスマッチングサービスを目的に合わせて使い分けます。
複数の経路を組み合わせると、紹介の信頼関係と公開情報による探索範囲を両立できます。
| 探し方 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 既存取引先や知人からの紹介 | 共通の関係者を通じて背景を聞きたい | 紹介者が知る範囲に候補が限られる |
| 業界団体や会員情報 | 情報サービス企業を広く知りたい | 掲載がBP募集や取引適格性を意味しない |
| イベントや交流会 | 担当者と直接話して相性を見たい | 参加目的と自社紹介を事前に整理する |
| 企業サイト | 得意領域や地域から個別に探したい | 公開情報と実際の協業条件は分けて確認する |
| ビジネスマッチングサービス | 登録情報から候補を比較したい | 利用条件と情報の更新状況を確認する |
紹介は背景情報を聞ける
既存取引先や知人からの紹介では、得意領域や担当者の連絡方法など、公開情報だけでは分からない背景を聞ける場合があります。
一方で紹介されたこと自体を信用保証とせず、自社の確認手順は省きません。
紹介者には、どのような補完関係を求めているかを先に伝えます。
業界団体とイベントは候補を知る場にする
業界団体の会員情報やイベントは、情報サービス企業と活動テーマを知る手がかりです。
JISAには会員名簿やイベント・セミナー情報がありますが、掲載企業がSESのBPを募集していることや、自社との取引に適していることを示すものではありません。
企業サイトとマッチングサービスで条件を絞る
企業サイトでは、事業内容、得意領域、所在地、問い合わせ方法を確認します。
ビジネスマッチングサービスでは登録情報を比較できますが、サービスごとに利用条件や情報項目が異なるため、最新の掲載内容と連絡方法を確かめます。
候補一覧から直接送信へ進まず、自社との補完性を記録してから優先順位を決めます。
BP候補企業を確認する方法
候補企業は、公式サイト、法人基本情報、事業内容、得意領域、所在地、連絡先、送信拒否表示の順に確認します。
公式サイトと公的な基本情報を突き合わせても、取引の信用力や適格性まで保証されるわけではありません。
公式サイトと法人基本情報を確認する
公式サイトでは事業内容、得意領域、所在地、問い合わせ窓口を確認します。
国税庁の法人番号公表サイトでは、法人番号の指定を受けた法人などについて、商号または名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号という基本情報を検索できます。
法人番号だけで信用力や取引適格性を保証することはできません。
事業内容と得意領域を照合する
サイトに書かれた得意領域を、自社の案件・人材と組み合わせられるかという観点で読みます。
抽象的な会社紹介だけで判断せず、サービスページ、採用情報、公開された取り組みなどから扱う技術や地域を確認します。
公開情報は初回連絡の理由を作る材料であり、実際の案件、人材、商流は情報交換で確かめます。
連絡先と送信拒否表示を確認する
初回メールを送る前に、連絡先の用途と送信拒否表示を確認します。
迷惑メール相談センターの案内では、広告宣伝メールは原則として事前承諾が必要で、送信者情報などの表示と、受信拒否後の再送禁止が示されています。
公開メールアドレスには一定の例外がある一方、アドレスとともに送信拒否の表示がある場合は例外にならないと説明されているため、送信前に最新ルールと相手サイトの表示を確認してください。
迷惑メール相談センター(特定電子メール法の送信ルールを確認)
BP候補の優先順位を決める
優先順位は候補企業の知名度ではなく、自社との補完性、商流、得意技術、地域、案件と人材の強み、連絡の受け方で決めます。
最も重視するのは自社との補完性であり、根拠のない点数や送信件数の基準は置きません。
| 確認軸 | 確認する内容 | 優先する状態 |
|---|---|---|
| 補完性 | 自社にない案件または人材の強み | 協業する場面を具体的に説明できる |
| 商流 | 契約可能な範囲 | 自社の条件と両立する可能性がある |
| 得意技術 | 業種、技術、工程、役割 | 自社の案件や人材と組み合わせられる |
| 地域と勤務条件 | 出社範囲、リモート条件 | 同じ条件の情報を扱える |
| 案件と人材 | どちらの情報が強いか | 自社の不足側を補える |
| 連絡の受け方 | 窓口、希望する情報、連絡手段 | 無理なく情報交換を続けられる |
商流は初回メールだけで決めつけず、情報交換で相手の立ち位置と提案可能範囲を確認します。
BPへ送る初回メールの書き方
初回メールは、件名、名乗り、選んだ理由、短い自社紹介、情報交換の目的、候補日時または返信方法、署名、配信停止の案内を順に書きます。
会社案内をすべて載せず、相手が返信内容を決められる長さに絞ります。
件名で協業打診と目的を伝える
件名には営業メールであることを隠さず、情報交換または協業相談だと分かる表現を使います。
自社の得意領域と相手へ連絡した理由を短く含めると、本文との対応が明確です。
案件配信メールの件名や本文は初回の協業打診とは役割が異なるため、関係開始後に必要な場合だけ別のテンプレートを使います。
初回メールは相手ごとに理由を書く
次の例文は、角括弧内を事実に置き換えて使うためのテンプレートです。
架空の会社名、実績、効果、数値は含めていません。
件名:【情報交換のお願い】[自社の得意領域]と[相手企業の得意領域]での協業について
[相手企業名]
[担当者名]様
突然のご連絡失礼いたします。
[自社名]の[担当者名]と申します。
貴社の[確認したページや取り組み]を拝見し、
[相手企業の特徴]と弊社の[自社の強み]で補完できる可能性があると考え、ご連絡しました。
弊社は[得意領域、扱う案件または人材、対応地域]を中心に扱っています。
まずは双方の得意領域、商流、情報交換の方法についてお話しできればと考えております。
ご関心がありましたら、[候補日時]または[希望する返信方法]をお知らせください。
ご都合が合わない場合は、メールでの情報交換からでも差し支えありません。
今後のご案内が不要でしたら、本メールへの返信でお知らせください。
以後のご案内は停止いたします。
[自社名]
[部署・担当者名]
[所在地]
[電話番号]
[メールアドレス]
避けたい初回メールを確認する
次の書き方は、相手が連絡理由や返信内容を判断しにくくなります。
- どの企業にも当てはまる文面を一斉送信する
- 長い会社紹介だけを書き相手との接点を示さない
- 初回から案件や人材の資料を大量に添付する
- 商流や情報交換の目的を書かない
- 送信拒否の表示を見落とす
- 送信拒否後の再送を行う
初回メールの役割は資料を配り切ることではなく、相手が情報交換を希望するか判断できる材料を渡すことです。
初回面談で確認する項目
初回面談では、得意領域、案件と人材の比率、商流、単価帯、稼働地域、連絡方法、情報更新の考え方、守秘と取引開始手続きを確認します。
公開情報で分からなかった条件を確認項目として並べ、不明点をすり合わせる場にします。
| 確認項目 | 聞く内容 | 記録する理由 |
|---|---|---|
| 得意領域 | 業種、技術、工程、役割 | 補完できる案件や人材を判断する |
| 案件と人材 | どちらの情報が多いか | 情報交換の期待を合わせる |
| 商流 | 立ち位置と提案可能範囲 | 誤った前提で提案しない |
| 単価帯 | 普段扱う条件と調整余地 | 具体値は相手から確認する |
| 稼働地域 | 出社範囲とリモート条件 | 勤務条件の重なりを見る |
| 連絡方法 | 窓口と受け取りたい情報 | 不要な配信を避ける |
| 情報更新 | 更新時の連絡方法 | 定期送信を目的にしない |
| 守秘と手続き | 情報交換前の守秘と取引開始手続き | 合意前に情報を広げない |
経済産業省のパートナーシップ構築宣言のひな形改正では、サプライチェーン全体の共存共栄と、価格転嫁が可能となる関係の考え方が示されています。
これはBP候補を認定する制度ではないため、初回面談では自社と相手の取引条件を個別に確認します。
経済産業省(パートナーシップ構築宣言のひな形改正と取引関係の考え方を確認)
BPとの継続関係を管理する
継続管理では、面談日、相手の強み、担当者、次回連絡理由、受信した案件・人材情報、最終確認日を残します。
次回連絡理由を記録し、連絡する理由を残すことが、定期送信を目的化しないための基準です。
面談内容と次の行動を記録する
面談後は相手の強みと商流だけでなく、次に何が起きたら連絡するかを記録します。
候補案件が出たとき、人材条件が更新されたとき、相手から希望領域の変更が届いたときなど、具体的な理由へ結び付けます。
担当者名だけを残して、前回何を話したか分からない状態を避けます。
最終確認日と受信情報を結び付ける
相手から受信した案件・人材情報と最終確認日を結び付けます。
古い情報を現在も有効だと扱わず、提案前に相手へ状況を確認します。
推奨頻度を一律に決めるのではなく、相手が希望する連絡方法と情報更新の理由に合わせます。
| 管理項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 面談日 | 情報交換を行った日 |
| 相手の強み | 得意領域、案件と人材の特徴 |
| 担当者 | 窓口と希望する連絡方法 |
| 次回連絡理由 | 連絡する条件と共有する情報 |
| 受信情報 | 届いた案件・人材情報との関係 |
| 最終確認日 | 条件を最後に確かめた日 |
BPが増えた後は受信メールを整理する
Dot Linkは新規BPを探したり、初回メールを自動送信したり、返信率を改善したりするサービスではありません。
BPとの関係が増え、案件・人材メールが多く届くようになった後に、受信内容を案件・人材単位へ構造化して整理するために使います。
受信後の見落としを防ぐ方法は、次の記事で詳しく解説しています。
補完関係を基準にBP開拓を続ける
BP開拓は、候補数や送信数ではなく、自社の案件・人材と補完し合える相手を増やす活動です。
候補探索、相性確認、初回連絡、情報交換、継続管理の各段階で、相手を選んだ理由と次に連絡する理由を残してください。
初回メールを送る前には送信先の表示と最新ルールを確認し、情報交換では商流と受け取りたい情報をすり合わせます。
BP関係が増えた後は、受信メールを整理することで、届いた案件・人材情報を見落としにくい形へ変えてください。
増えたBPメールをDot Linkで整理する
無料登録して試す →よくある質問
BP開拓で迷いやすい紹介以外の探し方、返信がない相手への対応、継続連絡の考え方を整理します。
いずれも候補数や送信頻度ではなく、自社との補完性と相手の意思を基準に判断します。
紹介してくれる知人がいなくてもBP開拓できますか?
紹介がなくても、業界団体の会員情報、イベント、企業サイト、ビジネスマッチングサービスから候補を探せます。
ただし一覧に掲載されていることをBP募集や取引適格性の証明として扱わず、公式サイトで事業内容、得意領域、所在地、連絡先を確認します。
そのうえで自社の案件・人材と補完できる理由を記録し、理由を具体的に伝えられる相手から初回連絡へ進み、紹介がない場合ほど相手を選んだ根拠と送信前の確認を省かないことが重要です。
初回メールに返信がない場合は再送してよいですか?
同じ文面を繰り返し送る前に、相手の送信拒否表示と、前回メールで示された意思を確認してください。
返信がないことだけを継続送信の同意と捉えず、同じ案内を定期的に送り続けることは避け、前回連絡から事情が変わっていない相手へ送信回数だけを増やさないようにします。
新しい協業理由や相手に関係する情報が生まれた場合でも、最新の送信ルール、公開連絡先の用途、受信拒否の有無を改めて確認し、受信拒否の通知があった相手には再送せず停止した記録を残します。
BPへ定期的に連絡したほうがよいですか?
一定の頻度で送ること自体を目的にせず、相手と合意した連絡方法と、共有する理由があるときに連絡します。
面談日、相手の得意領域、受け取りたい案件・人材情報、次回連絡理由、最終確認日を記録すると、必要な連絡と惰性的な配信を分けられます。
相手の条件や窓口が変わった場合は記録を更新して古い情報を前提に送らず、継続関係は回数ではなく、互いに必要な情報をあらかじめ双方が合意した方法で交換できる状態で判断してください。
参照リンク
国税庁 法人番号公表サイト — 商号または名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号という基本情報を確認できますが、信用力や取引適格性を保証するものではありません。
経済産業省「パートナーシップ構築宣言のひな形を改正しました」 — サプライチェーン全体の共存共栄と価格転嫁が可能となる関係の考え方を示す資料であり、BP候補の認定情報ではありません。
迷惑メール相談センター「特定電子メール法」 — 原則オプトイン、送信者情報などの表示、受信拒否後の再送禁止、公開メールアドレスに関する例外と注意点を確認できます。
情報サービス産業協会 JISA — 情報サービス産業の会員情報やイベントを確認できる業界団体の例であり、掲載企業のBP募集や取引適格性を示すものではありません。
