スキルシートの形式は統一されていない|添付19,663件の実態

スキルシートの管理と共有がうまく回らない原因は、フォルダの整理不足ではなく、届くファイルの形式が最初から統一されていないことにあります。

スキルシートは人材メールの79.1%に添付として届きます。その19,663件のうちExcel系は71.9%にとどまり、残る28.1%はPDF・Word・拡張子なしでした(2026年3月17日〜8月17日、N=19,663件)。

命名規則を決めても、共有フォルダを整えても、送られてくるファイルの形式は送り手側が決めます。

この記事では、Dot Linkが処理した添付ファイルの実データをもとに、スキルシートの管理と共有をどう組み直すかを整理します。

スキルシートの管理が共有フォルダで止まる理由

スキルシートの管理は、ファイルを保存した時点では終わらず、中身を人が開いて確認しない限り使える情報になりません。

保存されているのはファイルであって、スキル・単価・稼働時期といった条件ではないためです。

そのため、フォルダの整理が行き届いていても、提案のたびに1件ずつ開き直す作業が残ります。

スキルシートが受信トレイに分散する

営業担当の方の手元では、スキルシートは案件メールや連絡メールと同じ受信トレイに時系列で積み上がります。

送信元も件名の付け方も会社ごとに違うため、後から特定の人材のシートを探そうとすると、記憶を頼りに検索することになります。

共有フォルダへ手動でコピーする運用にしても、コピーし忘れた1件はそのまま受信トレイに取り残されます。

1件ずつ開かないと中身がわからない

ファイル名から読み取れるのは、せいぜい氏名や送信元くらいです。

どの言語を何年扱ってきたのか、いつから動けるのか、単価はいくらかは、開いて中を読むまでわかりません。

保存されているのに検索できないという状態が、スキルシート管理でもっとも時間を奪う部分です。

共有のたびに添付を探し直す

社内でスキルシートを共有する場面では、元のメールをさかのぼって添付を取り出し、転送し直す手順が発生します。

急ぎの提案ほどこの手戻りが効いてきますし、複数人が同じシートを別々の場所に保存して版が分かれることもあります。

メールに埋もれた情報を取りこぼす構造は、案件メールでも同じ形で起きています。

BPメールが埋もれて案件を見逃す原因と防ぎ方

人材メールの79.1%に添付ファイルが付いている

人材情報はメール本文だけで完結せず、実体が添付ファイル側に置かれていることが多いという偏りがあります。

Dot Linkが2026年3月17日〜8月17日に処理したメール添付ファイルは合計23,585件です。

以下の割合は、この期間に処理した案件メール・人材メールを母数にしています。

案件メールの添付率は12.2%にとどまる

人材メール(人材情報として分類されたメール)23,290通のうち、添付ファイルがあったのは18,428通で79.1%でした。

一方で案件メール23,282通のうち、添付ファイルがあったのは2,839通で12.2%にとどまります。

通数はほぼ同じなのに、添付が付く割合は6倍以上の開きがあります。

人材情報の実体はメール添付に置かれている

この偏りは、案件は本文に条件を書き並べれば伝わるのに対し、人材はスキルシートという定型の書式で伝える慣習があることを示しています。

つまり人材情報の一次情報は添付ファイル側にあるという前提で管理を設計する必要があります。

本文だけを読んで台帳に転記する運用では、スキルシートに書かれた経歴やスキルの粒度がまるごと落ちます。

人材メール添付19,663件の形式内訳|Excel系は71.9%

人材メールに付いた添付19,663件を拡張子別に集計すると、Excel系が最多ではあるものの、全体の7割強にとどまります。

内訳は次の通りです。

形式 件数 割合
Excel系(.xlsx / .xls / .xlsb / .ods) 14,138件 71.9%
PDF(.pdf) 2,957件 15.0%
Word系(.docx / .doc) 1,418件 7.2%
拡張子なし 1,079件 5.5%
その他(.zip / .tmp / .dat 等) 55件 0.3%
画像(.png / .jpeg / .jpg / .gif) 16件 0.1%
合計 19,663件 100%

Excel系以外が28.1%を占める

Excel系以外の添付は5,525件で、全体の28.1%でした。

「スキルシートはExcelで届くもの」という前提は、およそ3割の場面で崩れている計算になります。

PDFが15.0%を占める点は特に見落とされがちで、PDFは編集できないぶん、社内の台帳へ転記する手間がExcelより大きくなります。

拡張子の異なりは12通りある

拡張子の異なりを数えると12通りありました。

Excelだけを見ても.xlsx・.xls・.xlsb・.odsが混在し、Word系も.docxと.docに分かれます。

拡張子が付いていないファイルが1,079件、5.5%ある点も実務では厄介で、ダブルクリックしても何のアプリで開くかが決まりません。

添付が2件以上の人材メールは2.8%

1通あたりの添付件数は平均1.07件で、大半は1通に1ファイルです。

ただし添付が2件以上ある人材メールは521通あり、添付ありメール18,428通の2.8%を占めます。

最大では1通に13件の添付が付いていたケースもあり、1通=1人と決め打ちできません。

命名規則や共有フォルダでは形式の非統一を解決できない

スキルシートの管理でよく提案される命名規則の統一や共有フォルダの整備は、保存場所の問題は解きますが、形式の非統一には効きません。

ルールを適用できるのは自社が保存した後の話で、届く時点のファイル形式は送り手側の運用で決まるためです。

フォルダ管理はExcel前提で設計されている

社内のスキルシート管理は、Excelのテンプレートを配布して集計するという前提で組まれていることが多くあります。

その設計では、PDFで届いた15.0%とWord系で届いた7.2%は、集計対象の外に置かれるか、人が手作業で書き写すかのどちらかになります。

拡張子なしの5.5%に至っては、開くところから個別対応が必要です。

送り手にフォーマットを揃えてもらう発想は続かない

取引先へ「弊社のフォーマットで送ってください」と依頼する方法もありますが、長続きしません。

送り手にとっては自社のスキルシートが正であり、取引先ごとに書式を作り分ける理由がないためです。

送り手を揃えにいく発想では解けないという点は、稼働開始時期の表記ゆれとまったく同じ構造です。

稼働開始時期のミスマッチを防ぐには|98.8%記載でも揃わない2,035通り

形式を揃えずに中身を構造化する

スキルシートの管理と共有を効率化する要点は、形式を揃えることではなく、形式が揃っていなくても中身を同じ構造のデータに変えることです。

ファイルをファイルのまま保存している限り、検索も比較も人の目視に依存し続けます。

管理する対象をファイルから項目へ移すと、形式の違いは扱いの差でしかなくなります。

PDF・Word・Excelを形式ごとに読み分ける

Dot Linkはses@dot-link.jpへ転送された人材メールの添付を、形式ごとに扱いを分けてテキスト化します。

PDFはファイルそのものをAIに渡して内容をテキスト化し、Word(.docx / .doc)は文書内のテキストを記載順に取り出します。

Excelは表形式のデータを読み取ってAIに渡すため、行と列で構成されたスキルシートもそのまま扱えます。

届いた形式のまま受け取ってテキスト化するので、営業担当の方が事前にファイルを変換する必要はありません。

添付ファイル名は案件か人材かの判定にも使う

添付ファイル名は、そのメールが案件メールか人材メールかを判定する材料としても使われます。

本文が短く条件がほとんど書かれていないメールでも、添付が付いていること自体が分類の手がかりになります。

メール本文から単価・商流・スキル・稼働時期・勤務地といった項目を構造化する流れは、こちらで解説しています。

SES営業のメール処理を自動化する方法|手入力ゼロの仕組み

構造化したスキルシートを検索して共有する

スキルシートが構造化データになると、検索も共有もファイルを開かずに項目単位で行えます。

「Javaの経験年数」「稼働可能な時期」といった条件が、届いた形式の違いに関係なく同じ基準の値として並びます。

同じ項目で並べて比較できる

Excelで届いたシートもPDFで届いたシートも、テキスト化を経て同じ項目へ落とし込まれます。

そのため、1件ずつ開いて中身を確認してから比較するという工程が不要になります。

版が分かれる問題も、共有するのがファイルではなく構造化された人材情報になるため起きにくくなります。

公開範囲はマッチングの前後で分ける

スキルシートは個人情報を含むため、共有の効率化と同時に公開範囲の設計が必要です。

Dot Linkでは登録済みユーザーのみが閲覧でき、マッチング前は一部の情報だけ、マッチング成立後に双方が詳細を閲覧できる形にしています。

構造化された人材データは自由文のまま突き合わせるのではなく、1段目で商流・単価による絞り込みを行い、2段目でスキル等を評価する2段階でマッチング候補になります。

AIマッチングはどう案件と人材を結びつけるのか|2段階フィルタの仕組み

自動処理の限界|画像添付と複数添付の扱い

自動テキスト化は万能ではなく、扱えない形式と、機械的に判断しきれない構造があります。

正直に書いておくと、この2点は実データ上も残っています。

画像ファイルはテキスト化の対象外

.jpg・.png・.jpegといった画像ファイルは、テキスト化の対象外として扱っています。

ただし実データでは画像の添付は16件、人材メール添付19,663件の0.1%と稀でした。

スキルシートを画像で送るケースはほとんど起きていないため、実務上の影響は限定的です。

1通=1人とは限らない

添付が2件以上ある人材メールは521通、添付ありメールの2.8%あり、最大では13件の添付が付いていました。

複数人の情報をまとめて送るメールや、スキルシートと別資料を同時に送るメールが該当します。

1通に1人という前提で台帳へ登録すると、2人目以降が抜け落ちるため、添付を1件ずつ分解して扱う設計が必要です。

形式が揃わない前提で管理と共有を組み直す

スキルシートの管理・共有の効率化は、ルールを増やすことではなく、形式が揃わない前提を受け入れて中身を構造化することで進みます。

19,663件を集計して見えたのは、Excel系が71.9%で最多でありながら、28.1%はそれ以外の形式で届いているという事実でした。

命名規則も共有フォルダも、この28.1%には効きません。

ファイルを揃えるのではなく項目を揃えるという順序に切り替えると、検索・共有・マッチングが同じ基準の上で回ります。

実際に届いているスキルシートがどう構造化されるか確かめたい方は、まず人材メールを1通転送して結果を見てみてください。

Dot Linkにメールを転送してスキルシートの構造化を試す

無料登録してメール連携する →

よくある質問

拡張子が付いていないスキルシートはどう扱えばよいですか

拡張子なしの添付は人材メール添付19,663件のうち1,079件、5.5%ありました(2026年3月17日〜8月17日集計)。

拡張子が欠落していると、ダブルクリックしただけでは何のアプリケーションで開くかが決まらず、1件ごとに開き方を確かめる手間が発生します。

自動処理においてもファイル名の拡張子は形式を判断する手がかりの一つなので、拡張子が無いファイルは扱いが安定しにくい部分です。

割合としては5.5%と大きくありませんが、届く形式が統一されないという前提を裏づける一例だとお考えください。

1通に複数のスキルシートが添付されている場合はどうなりますか

添付を分解して1件ずつ扱います。

添付が2件以上ある人材メールは521通で、添付ありメール18,428通の2.8%でした。

最大では1通に13件の添付が付いており、複数人の情報をまとめて紹介するメールや、スキルシートと補足資料が同時に送られるメールが該当します。

1通に1人という前提で台帳へ登録すると2人目以降が抜けるため、添付の件数を機械的に数えて分解する運用にしておくと取りこぼしが減ります。

画像で送られてきたスキルシートは読み取れますか

画像ファイルはテキスト化の対象外として扱っています。

対象外なのは.jpg・.png・.jpegといった形式で、これらが添付されていた場合は本文側の情報とファイル名から判断することになります。

ただし実データでは画像の添付は16件、人材メール添付19,663件の0.1%と稀でした。

スキルシートを画像で送る慣習はほとんど無いため、この制約が提案業務に影響する場面は限られます。

参照データ算出方法

本記事の数値は、Dot Linkが処理したメール添付ファイルの記録と、メール本文の構造化結果を突き合わせて集計したものです。

1レコードが1件の添付ファイル、または1通のメールから抽出した案件・人材情報にあたります。

集計期間は2026年3月17日〜8月17日で、添付ファイル全体の母数は23,585件、人材メールに付いた添付の母数は19,663件です。

以下のクエリの[添付ファイル管理テーブル][メール本文構造化テーブル][ファイル名][メール種別][メッセージID][作成日時]は、実際のテーブル名・カラム名のプレースホルダです。

[添付ファイル管理テーブル]は受信メールに付いていた添付ファイルの記録、[メール本文構造化テーブル]はメール本文を解析して案件・人材の項目へ構造化した結果を保持します。

[メール種別]はそのメールが案件メールか人材メールかの分類、[メッセージID]は両者を突き合わせるためのメール単位の識別子です。

添付ファイルの総数:

SELECT
  COUNT(*) AS total_attachments          -- 添付ファイル総数
FROM `[添付ファイル管理テーブル]`
WHERE [作成日時] BETWEEN '2026-03-17' AND '2026-08-17';

メール種別ごとの添付率:

WITH mails AS (
  SELECT
    [メッセージID] AS message_id,
    [メール種別]   AS mail_type
  FROM `[メール本文構造化テーブル]`
  WHERE [作成日時] BETWEEN '2026-03-17' AND '2026-08-17'
),
attached AS (
  SELECT DISTINCT [メッセージID] AS message_id
  FROM `[添付ファイル管理テーブル]`
  WHERE [作成日時] BETWEEN '2026-03-17' AND '2026-08-17'
)
SELECT
  m.mail_type,
  COUNT(*)                            AS total_mails,           -- 母数(N)
  COUNTIF(a.message_id IS NOT NULL)   AS mails_with_attachment  -- 添付ありメール数
FROM mails m
LEFT JOIN attached a USING (message_id)
GROUP BY m.mail_type;

人材メールに付いた添付の形式内訳:

WITH candidate_attachments AS (
  SELECT
    LOWER(REGEXP_EXTRACT(f.[ファイル名], r'\.([A-Za-z0-9]+)$')) AS extension
  FROM `[添付ファイル管理テーブル]` f
  JOIN `[メール本文構造化テーブル]` m
    USING ([メッセージID])
  WHERE m.[メール種別] = '人材'
    AND f.[作成日時] BETWEEN '2026-03-17' AND '2026-08-17'
)
SELECT
  IFNULL(extension, '(拡張子なし)') AS extension,
  COUNT(*)                          AS attachments
FROM candidate_attachments
GROUP BY extension
ORDER BY attachments DESC;

1通あたりの添付件数:

WITH per_mail AS (
  SELECT
    f.[メッセージID] AS message_id,
    COUNT(*)         AS attachment_count
  FROM `[添付ファイル管理テーブル]` f
  JOIN `[メール本文構造化テーブル]` m
    USING ([メッセージID])
  WHERE m.[メール種別] = '人材'
    AND f.[作成日時] BETWEEN '2026-03-17' AND '2026-08-17'
  GROUP BY message_id
)
SELECT
  COUNT(*)                        AS mails_with_attachment,   -- 添付ありメール数
  AVG(attachment_count)           AS avg_attachments,         -- 1通あたり平均
  MAX(attachment_count)           AS max_attachments,         -- 1通あたり最大
  COUNTIF(attachment_count >= 2)  AS multi_attachment_mails   -- 添付2件以上
FROM per_mail;