同じ案件に見えても比較してから扱いを決める
同じ案件と思われるメールが複数のBPから届いたら、案件名だけで統合せず、役割、条件、商流、情報源を比較してから扱いを決めます。
案件名一致は重複確認の開始条件であり、自動統合の根拠ではありません。
この記事では、重複と思われる案件メールを受け取った後に、営業担当の方が確認する内容と提案窓口を決める手順に絞って解説します。
案件名だけで統合すると別の募集を消してしまう
案件名が同じでも、担当工程、募集枠、商流、勤務地が違えば、別の募集として扱う必要があります。
反対に、件名や案件名が異なっていても、同じ募集が別のBPを経由して届いている場合があります。
同じ呼び名で役割が違う場合がある
「基幹システム刷新」という案件名でも、アプリ開発、インフラ、PMOでは作業範囲と必要な経験が異なります。
案件名をキーに一つへまとめると、別の役割を上書きするおそれがあります。
情報源によって見えている条件が違う
上位会社に近いBPと再委託先のBPでは、開示される商流や単価の範囲が異なることがあります。
詳しいメールを正しいメールと決めつけるのではなく、各項目を誰がいつ確認したかまで見ます。
募集枠だけが増減している場合がある
仕事内容が同じでも、追加募集や欠員補充によって募集人数と開始日だけが変わる場合があります。
既存案件の条件変更なのか、別チームの新規募集なのかをBPへ確認してください。
重複確認では候補案件を先に検索する
新しい案件IDを付ける前に、受信メールと社内の既存案件から候補を探します。
完全一致検索だけでなく、エンド企業、役割、主要スキル、勤務地、開始時期の組み合わせでも確認します。
検索に使う項目をそろえる
検索時は案件名のほか、エンド企業、業種、役割、主要スキル、勤務地、開始月を使います。
候補が見つからない場合も、表記揺れや伏せ字がないかを確認してから新規登録へ進みます。
導入前に案件IDや情報源を整える考え方は、次の記事で説明しています。
SESマッチングツール導入前に整えるデータ項目|案件・人材の準備チェック
比較表で同じ点と違う点を分ける
重複確認では、新着メールと既存案件を同じ列で比較し、一致、相違、未確認を区別します。
空欄を一致扱いにせず、相手が開示していない情報は未確認として残します。
| 比較項目 | 新着メールで見る内容 | 既存案件で見る内容 | 相違時の確認 |
|---|---|---|---|
| 役割・作業範囲 | 担当工程、成果物、チーム | 現在登録している役割と工程 | 同じチームの同じ役割か |
| 募集枠 | 人数、増員・交代、枠の単位 | 残り枠、募集状態 | 追加枠か別募集か |
| 必須条件 | 技術、工程、経験内容 | 必須・尚可の区分 | 条件変更か記載差か |
| 開始日・勤務地 | 開始日、出社先、頻度 | 現在値と更新日 | 適用日と調整可否 |
| 単価・精算 | 金額、税区分、精算幅 | 現在値と情報源 | 商流差か条件変更か |
| 商流 | エンドから自社までの関係 | 既存の提案可能な商流 | 同じ提案経路か |
| 受信日時・情報源 | 受信日時、送信BP、担当者 | 最終確認日時、回答者 | どちらが現行条件か |
一致項目より相違項目を先に確認すると、同一案件かどうかを短い質問で確かめられます。
BPへの確認先は相違項目から決める
確認メールは一斉送信せず、相違している条件を説明できるBPへ送ります。
情報の出所と商流が異なる場合は、どちらか一方だけで確定せず、それぞれに開示可能な範囲を確認します。
最初に届いたBPだけを優先しない
受信順だけでは、募集元に近いか、現在の条件を確認しているかは分かりません。
役割や募集枠の確認は案件担当に近い窓口へ、商流や単価の確認は取引条件を回答できる窓口へ戻します。
他社からも届いたとは伝えすぎない
確認時は、別BPの社名、単価、メール本文をそのまま転送しません。
「類似案件との識別のため」と目的を伝え、自社が確認したい項目だけを質問します。
回答者と確認日時を記録する
電話で回答を得た場合も、回答者、確認日時、回答内容を案件行へ残します。
条件が後で変わったときに、どの回答を基準にしたかを追える状態にしてください。
重複確認メールは識別したい項目を限定する
確認メールでは、同一案件かどうかを相手に丸投げせず、営業担当の方が見つけた相違点を示します。
次の例文は、角括弧内を確認済みの事実へ置き換えて使います。
件名:案件内容の確認|[案件名・役割]
[BP企業名]
[担当者名]様
お世話になっております。
ご共有いただいた[案件名]について、類似案件との識別と提案先確認のため、次の点をご確認いただけますでしょうか。
・担当する役割と作業範囲:[受信内容]
・募集枠:[受信内容]
・開始日と勤務地:[受信内容]
・商流上の提案窓口:[確認したい内容]
特に、[既存情報と異なる項目]は条件変更なのか、別チーム・別募集なのかをご教示ください。
あわせて、この条件で人材をご提案する際の窓口と案件識別情報をお知らせください。
よろしくお願いいたします。
[署名]
案件メールに必要な項目を見直す場合は、次の記事も確認できます。
SES案件メールの書き方|商流・単価・精算幅を伝えるテンプレート
既存案件を更新するか新規保留にするか決める
同一募集であると確認できた場合は既存案件を更新し、別募集と確認できた場合は新しい案件として登録します。
回答がそろわない場合は推測でどちらかに寄せず、新規案件候補として保留します。
既存案件を更新する条件
役割、募集枠、提案経路が同じ募集だと確認でき、相違が条件変更や情報追加によるものなら、既存行へ反映します。
更新時は古い値を消すだけでなく、変更前、変更後、適用日、回答者と情報源を残してください。
新規案件として分ける条件
役割、チーム、募集枠、提案経路のいずれかが別で、提案判断も分かれるなら、新しい案件IDを付けます。
似た案件との関係が分かるよう、関連案件IDと識別理由を残します。
確認中として保留する条件
相違点の回答がない、商流が確定しない、同じ募集か判断できない場合は保留します。
未確認のまま既存行へ統合すると、元に戻すときにどの情報が正しかったか分からなくなります。
提案窓口は条件と取引経路で決める
同じ案件を扱うBPが複数あっても、受信が早い窓口や単価が高く見える窓口だけで決めません。
自社から提案できる商流、提示条件、窓口の有効性、案件識別情報を確認して決めます。
| 判断項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 提案可能な商流 | 自社からそのBPを経由して提案できるか |
| 提示条件 | 単価、精算、支払条件の確認状態 |
| 募集枠 | 現在も募集が開いているか |
| 連絡窓口 | 提案受付担当と必要な案件識別情報 |
| 重複提案の扱い | 同じ候補者が別経路で出ていないか確認する方法 |
提案窓口を決めたら、ほかの経路を削除せず、見送り理由と確認日時を記録します。
案件の統合判断と提案窓口の選択は別の判断として扱ってください。
条件更新は元メールを書き換えず履歴を残す
確認後の更新では、受信したメール原文を残し、案件行に採用した現在値と根拠を記録します。
後から別の回答が届いた場合は、どの項目が変わったかを再確認します。
条件変更をBPへ伝える方法は、次の記事で詳しく説明しています。
SES営業の案件条件変更メール例文|単価・勤務地・開始時期を正確に伝える書き方
重複案件の判断フローを固定する
重複対応は、検索、比較、確認、登録、提案窓口決定の順に進めます。
担当者ごとに順番を変えないことで、案件名一致だけの統合と二重提案を防ぎやすくなります。
- 新着メールから案件名、役割、主要条件、情報源を抜き出す
- 案件IDを付ける前に既存案件を検索する
- 比較表で一致、相違、未確認を分ける
- 相違項目を回答できるBPへ確認する
- 同一募集なら既存案件を更新する
- 別募集なら新規案件IDを付ける
- 判別できなければ確認中として保留する
- 商流と受付状態を確認して提案窓口を決める
- 判断理由、回答者、確認日時を記録する
確認中を正式な状態として残すと、急いで統合する必要がなくなります。
まとめ
同じ案件に見えるメールが複数届いたら、案件名だけで統合せず、役割、募集枠、必須条件、開始日、勤務地、単価、精算、商流、受信日時、情報源を比較します。
相違点をBPへ確認し、同一募集なら既存案件を更新し、別募集なら新規案件として登録し、判断できなければ保留します。
提案窓口は統合判断と分けて、提案可能な商流、条件、募集状態、受付担当を確認して決めてください。
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Qoala公式サイト — 複数のBPから届いた出元が同じ案件・人材のメールをグループ化し、金額や商流などの条件を比較する機能が紹介されています。
これは重複確認と条件比較がSES営業向けサービスで機能化されている一例です。
市場需要の規模や、案件名だけで同一案件を自動判定できることを示す根拠ではありません。
よくある質問
案件名が完全一致したら重複と判断できますか?
完全一致しても重複とは限りません。
同じ名称の中で役割やチームを分けて募集している場合や、過去案件の名称を再利用している場合があります。
役割、募集枠、必須条件、開始日、勤務地、商流を比較し、相違点を案件担当へ確認してから判断してください。
同一募集と確認できた場合は、既存案件へ変更前後、回答者、確認日時を残して更新します。
別募集であれば新しい案件IDを付け、似た案件との関係と識別理由も記録しておきます。
単価だけ違う場合はどちらを採用しますか?
高い単価や新しい受信日時だけで採用せず、商流、税区分、精算条件、適用日を確認します。
BPごとに商流や開示方法が異なる可能性があるため、同一条件の金額差なのかを確認し、回答者と確認日時を記録してください。
金額以外の条件が同じでも、提案できる所属や支払条件が違えば窓口選びに影響します。
片方の金額をもう一方のBPへそのまま示すのではなく、自社が確認したい条件を項目ごとに質問し、提案可能な経路を確定します。
重複確認中の案件は台帳へ登録しないほうがよいですか?
確認中であることを明示して記録してください。
仮の識別子、候補となる既存案件、相違項目、確認先、次回確認日を残すと、別の担当者が新規案件として重ねて登録することを防げます。
外部提案は、提案窓口と必要条件が確定してから行います。
回答が届いたら、同一募集、別募集、引き続き確認中のいずれかへ状態を更新し、判断理由を残します。
確認中の行を削除せず、誰が次に確認するかまで決めると、重複確認が止まっている場所を引き継げます。
